店長ご挨拶

2017年 新年の抱負

 拝啓 今年も宜しくお願い申し上げます。

今年は例年になく雪が多く、3年前に50cmでびっくりしたのですが、それを上回る80cmとなり、毎日雪かきに追われております。

地元の古老にお聞きいたしましても、最近にない事象だそうです。昔、彼の子供のころ、ほぼ70年前にはこの程度の降雪は良くあったそうです。近くのお宮様の坂を、竹を割ってスキーをして遊んだそうです。

温暖化が進むということは、寒暖の振れが大きくなることのようで、暑い日はより暑く、寒い日はより寒くなるのではと感じております。

最近、「2035年の世界」という本を読み、そこに温暖化は寒冷化と平行して進むとありました。まさにその通りのようで、露地で人的管理に軸足を置く慣行栽培方式は、ますます成果が出しづらくなるように思います。

地方の山・川・野を守り次世代につないでゆく力のある小規模独立自営農家(いわゆる「百姓」)を維持・確保して行くには、自然栽培で、固定種の種を自家採種し、その地域固有の気候変化に植物独自の力でその変化に対応してもらう方式が不可欠と考えております。

世間一般には、この環境変化に対応するためになお一層「工業化&大規模化&外国人安価労働者の活用による集約化」が進められ、全ての環境を人的に管理・完結させて行こうとすることでしょう。ただそうすればするほど、農薬・肥料が多用され、エネルギーコストも増大し、野菜のコストも上昇します。結果として、今も野菜離れが進んでいる日本のマーケットで更に苦戦することになり、また安全性の面から世界のマーケットではGAP認証ではじき出されてしまうことになり、企業は採算割れから低賃金化に拍車をかけ、不満を持った外国人労働者に地方の治安が乱れます。一方、消費者にとっては、安全・安心・健康が奪われ、おいしさもますます失われて行きます。最終的には、日本の農産物は世界的に価格競争力を失い、企業は農業生産から撤退・農地放棄、日本の食糧政策は破たん、不健康な国民と荒れた農地が残り、食糧危機に日本国民があえぐことになります。

 また、自然・地球とのGAPも拡大します。結果として人間の体内生態系が毀損され、新たな病気が発生、社会全体としてのバランスも脆弱化・崩壊して行きます。

最終的には、人間社会の破綻を促進していくのではないかと、一百姓ながら憂慮致しております。

こういう中で、微力ではありますが、今年も心新たに、

「自然環境とのバランスを取ることこそが、人間の生体バランスを整える基本であり、人間社会の維持・発展の基盤である」と信じ、

1000年続くお客様とともに、1000年続く農家を数多く作ることが、ひいては1000年続く日本国・日本民族の礎となる」との思いから

自然栽培に家族総出で取り組んで参ります。

本年も引き続きのご支援のほどお願い申し上げます。

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苗用の土作り

河野農園では、お野菜もお米も苗作りから始まります。

種を播く土も無農薬・無肥料のそれぞれの畑や田の土を使います。

粘土質の土塊をこぶし大まで崩して乾かし

何回も木槌で砕いてふるいながら「土」を取って行きます。

お野菜用の畑の土は5mm以下、お米用の田の土は3mm以下までふるいます。

土埃がひどいので防塵マスクを着用します。

こうして作った土に,培土やくん炭を混ぜた土に種を播くのです。


 

足かけ3年の基盤整備工事

 

2017年から新規に農地を借り入れしましたが、

 

残念ながら湿田で排水性も湛水性も乏しい状態のモノでした。

 

大型機械を入れても緩くて収穫を放棄するような田んぼで、私どもの持つ小さいトラクターを入れますと、泥にはまって出られなくなってしまう様な地盤の緩い土地でした。

 

給排水の配管位置がわからない。

 

あるいは機能していない。

 

法面が崩落している、漏水が著しい。

 

地面の傾斜が偏っているなど等の問題から、すぐに作付けできるような土地ではありませんでした。

 

そのため、夏場の晴れ間などを使い、こつこつと排水管の再敷設、

 

外溝の掘削、崩落法面の補修などをして、ようやく湿田を畑の圃場として利用できる形に整えました。

 

 

 

はじめはバックホーを入れるのもお腹をすってアームで移動しなければ動けないような場所でしたが、

 

少しずつ排水性を良くしながら、

 

時間と労力をかけて利用できるように改善しました。

 

 

 

中山間部の農地は大体みな同じような状態ではないでしょうか。

 

大規模な圃場整備をしてから当地では40年が経過し、

 

大規模化、機械化などの取り組みなどがあったそうですが、

 

大きい田んぼでもせいぜい23反で、のり面が高く、平野部で見られる畔を乗り越えての

 

圃場の移動などが無理な場所が多いため、農機の移動も、畦畔の草刈りの労力も平地とは全く違います。

 

そんな山間部ですが、

 

地道にコツコツと取り組んでおります。

BEFORE

工事前

 AFTER

工事後

種取り用ハウスの完成

 

18年末から新規圃場の基盤工事と並行して進めていたのが種採りハウスの建設です。

 

山が近く、周辺からの受粉の可能性も少ない場所ではあるものの、水はけの悪い死地を改良しての建設です。

 

もともと地下水位が高い場所でしたが、畝を高く盛ることで野菜が問題なく育つことは確認できていましたので、土台を作りその上に土を盛り、畝を立ててからの、建設基準の作成。

 建設開始

基盤工事に注力していたため、19年から骨格の建設をはじめました。アーチパイプを配置し、背骨となる直管を5本固定しましたが、やはり地盤が緩いため、場所により水引線より5cm沈むという状態に。

 骨格

アーチの穴に小石など詰め込んで固定してはいましたが、建設を進めて鉄管の骨がそれぞれ組み合わさると重さもそれなりになります。勝手に沈みます。

 

ということで丸太を切って下鉄管と地面の間にかませてジャッキアップ。これで下がりすぎることはなくなりました。一通りの骨組みを組むのは終えて、19年の秋に聖護院蕪の種を撒き、骨組みだけのハウス内で栽培開始です。

 聖護院蕪

20年の1月に入り妻面の建設も終えて、本格的にビニールや防虫ネットの展張となるのですが、綾部では3月に岸焼という川岸や農道・畔などの冬の枯れ草を焼き払う行事があります。

 

山が近いので結構な法面があり、毎年焼くのですが、ビニールハウスにとっては火の粉が飛んで触れると穴の原因になります。今年は雨のため中止になりましたが、当日の天気によるので、中止か岸焼が終わるまでビニールは張れませんでした。そうこうしているうちに無事に育った聖護院蕪は花芽を伸ばし始めます。あまり大きいとは言えませんが霜にも虫にも負けなかった、形の良いものを残して間引き、選抜をします。

 

1月には防虫ネットを張り、岸焼中止後に天井ビニールを張り、急ピッチでハウス外観を建設。無事開花までには扉もついて建設が終わりました。今は開花してくる菜花にひたすら受粉作業をしています。

完成 

今年から夏野菜の一部も植え付けをし、交雑の心配が低いものを種採りしていく予定です。

 

  



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店長ご挨拶

綾部市に移り住んではや6年、木村秋則式自然栽培に学び、無肥料・無農薬での栽培を行っております。
4年間土作りに取組み、まだまだ田んぼの土ですが、そんな中で頑張って根を張り、一生懸命育ったお野菜をご提供しております。
永続可能で環境負荷の低い自然栽培で育った、自然の深い味わいと、変化をお楽しみ頂ければ、幸いです。
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