セミナー報告

これからの農業と未来の食卓

2017716日 木村秋則先生ほか講演会の要旨

中戸川 貢先生

1.コンビニの食事で3食取ればどうなるか?

結論

カロリーは足りる

しかし、ミネラルが必要最低限の所要量を大幅に下回る   

高級食を買っても、カロリーが増えるだけ。

何故か?

色鮮やかにみせるために、水煮しているため

ミネラルが全て流出してしまっている。

これは、冷凍食品、レトルト食品同じ

新型栄養失調に注意しましょう。

参考書:「食事でかかる新型栄養失調」

2.水煮食品の増加

野菜の水煮パックが売れている

業務用野菜の状況は

「タスカル」を見てください。

なお、サラダ用のカット野菜は、数十秒間茹でてあります。

そうして生として販売します。

3.リン酸塩に注意しよう

上記のように、ミネラル不足の状態なのに

リン酸塩を取ると、リン酸塩が数少ないミネラルと結合して

体外に排泄させてしまう。

リン酸塩は、食肉製品、水産加工品、乳製品、農産加工品、飲料等で

色調改善、乳化、弾力性、保水性のために使われます。

白くてプリプリさせるのに最適。

1990年代後半から使用料が爆発的に伸びた。

それと呼応して、アスペルガー症候群のような精神的に落ち着きのない方が

多くなった。精神障害を引き起こしてしまう。

こういう中にあって、自然栽培の野菜は、ミネラルを凝縮されたものとして

注目されている。 

なお、肉はリンがカルシウムより多い食品なので

カルシウムを溶出させてしまう。取りすぎに注意しよう。

見城 美枝子先生

1.食の自給なくして国の自立なし

アフリカに取材に行って良くわかった。

何故、彼らは飢えて貧しいのか?

彼らは、宗主国の進めるプランテーション栽培で

自分たちの食糧生産ができていない。

だから、例えば、コーヒーがダメになれば、穀物を自力で作っていないので

飢えて行く。インドでは、綿花ばかり作って、多数の餓死者を出した。

2.和食で子供を育てた

離乳食は、昆布とカツオの出汁でペーストした野菜のすりおろし

これのおかげで、舌が育ち、薄味が解るようになった。

木村秋則先生

私は、血を流さない革命を起こしたい。

1.害虫被害率は、リンゴを別にして30%が上限。

なのに日本は農薬使用量 2009年まで世界一

今、TOPを中国に譲りましたが。

2.JAS有機で規定していない硝酸態窒素規制

EUでは、最高3000PPM

日本の有機栽培抜き取り調査だと、10000を軽く超える。

3.投入した窒素肥料はどうなるのか?

作物に 10から15%

雑草に 10から15%

土に残留 20から30%

残り  40から50%はガス化して大気圏破壊する。

世界の温暖化の原因は、肥料・農薬・除草剤の使用が原因と指摘

2009年米国 NOAA発表  アメリカ海洋大気庁)

4.合成添加物の認可数 

日本世界一 347種類

  米国     130

  英国      15

5.現代農業の土は白い

  濃い緑の野菜は元気ではない

  元気な野菜は黄緑色

自然栽培の土は黒い

多様性に富んでいる

人間ばかりが生きていいという世界はない。

6.日本の食は、世界から見れば非常に危険

 オリンピックで、日本の食材を食べさせられない

 全て空輸するという国もある。

パネルディスカッション

加工食品のつけで、本物の解る人が少なくなった。

亜鉛・・・・・・少ないと味覚障害起こす

味覚破壊トリオ・・化学調味料、酵母エキス、たんぱく加水分解物

本物の農産物を食育の中で食べさせることが必要。

BLACK JOKE

風邪をひいたら、ハマチを食べると良いよ・

抗生物質が大量に入っているから

農家と漁師が交流会をし懇親の席で

農家の方は、野菜を

漁師の方は、魚を

食べませんでした。

農業は生命産業です。生命財を作ります。

ユニクロなどは経済財を作ります。

両者は別物です。(見城氏)・・・・・私・河野と同じ意見です。

要は、どこにお金をかけるのか?

スマホですか?

野菜ですか?

どちらが、体をつくっているのでしょうか?

苗用の土作り

河野農園では、お野菜もお米も苗作りから始まります。

種を播く土も無農薬・無肥料のそれぞれの畑や田の土を使います。

粘土質の土塊をこぶし大まで崩して乾かし

何回も木槌で砕いてふるいながら「土」を取って行きます。

お野菜用の畑の土は5mm以下、お米用の田の土は3mm以下までふるいます。

土埃がひどいので防塵マスクを着用します。

こうして作った土に,培土やくん炭を混ぜた土に種を播くのです。


 

足かけ3年の基盤整備工事

 

2017年から新規に農地を借り入れしましたが、

 

残念ながら湿田で排水性も湛水性も乏しい状態のモノでした。

 

大型機械を入れても緩くて収穫を放棄するような田んぼで、私どもの持つ小さいトラクターを入れますと、泥にはまって出られなくなってしまう様な地盤の緩い土地でした。

 

給排水の配管位置がわからない。

 

あるいは機能していない。

 

法面が崩落している、漏水が著しい。

 

地面の傾斜が偏っているなど等の問題から、すぐに作付けできるような土地ではありませんでした。

 

そのため、夏場の晴れ間などを使い、こつこつと排水管の再敷設、

 

外溝の掘削、崩落法面の補修などをして、ようやく湿田を畑の圃場として利用できる形に整えました。

 

 

 

はじめはバックホーを入れるのもお腹をすってアームで移動しなければ動けないような場所でしたが、

 

少しずつ排水性を良くしながら、

 

時間と労力をかけて利用できるように改善しました。

 

 

 

中山間部の農地は大体みな同じような状態ではないでしょうか。

 

大規模な圃場整備をしてから当地では40年が経過し、

 

大規模化、機械化などの取り組みなどがあったそうですが、

 

大きい田んぼでもせいぜい23反で、のり面が高く、平野部で見られる畔を乗り越えての

 

圃場の移動などが無理な場所が多いため、農機の移動も、畦畔の草刈りの労力も平地とは全く違います。

 

そんな山間部ですが、

 

地道にコツコツと取り組んでおります。

BEFORE

工事前

 AFTER

工事後

種取り用ハウスの完成

 

18年末から新規圃場の基盤工事と並行して進めていたのが種採りハウスの建設です。

 

山が近く、周辺からの受粉の可能性も少ない場所ではあるものの、水はけの悪い死地を改良しての建設です。

 

もともと地下水位が高い場所でしたが、畝を高く盛ることで野菜が問題なく育つことは確認できていましたので、土台を作りその上に土を盛り、畝を立ててからの、建設基準の作成。

 建設開始

基盤工事に注力していたため、19年から骨格の建設をはじめました。アーチパイプを配置し、背骨となる直管を5本固定しましたが、やはり地盤が緩いため、場所により水引線より5cm沈むという状態に。

 骨格

アーチの穴に小石など詰め込んで固定してはいましたが、建設を進めて鉄管の骨がそれぞれ組み合わさると重さもそれなりになります。勝手に沈みます。

 

ということで丸太を切って下鉄管と地面の間にかませてジャッキアップ。これで下がりすぎることはなくなりました。一通りの骨組みを組むのは終えて、19年の秋に聖護院蕪の種を撒き、骨組みだけのハウス内で栽培開始です。

 聖護院蕪

20年の1月に入り妻面の建設も終えて、本格的にビニールや防虫ネットの展張となるのですが、綾部では3月に岸焼という川岸や農道・畔などの冬の枯れ草を焼き払う行事があります。

 

山が近いので結構な法面があり、毎年焼くのですが、ビニールハウスにとっては火の粉が飛んで触れると穴の原因になります。今年は雨のため中止になりましたが、当日の天気によるので、中止か岸焼が終わるまでビニールは張れませんでした。そうこうしているうちに無事に育った聖護院蕪は花芽を伸ばし始めます。あまり大きいとは言えませんが霜にも虫にも負けなかった、形の良いものを残して間引き、選抜をします。

 

1月には防虫ネットを張り、岸焼中止後に天井ビニールを張り、急ピッチでハウス外観を建設。無事開花までには扉もついて建設が終わりました。今は開花してくる菜花にひたすら受粉作業をしています。

完成 

今年から夏野菜の一部も植え付けをし、交雑の心配が低いものを種採りしていく予定です。

 

  



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店長ご挨拶

綾部市に移り住んではや6年、木村秋則式自然栽培に学び、無肥料・無農薬での栽培を行っております。
4年間土作りに取組み、まだまだ田んぼの土ですが、そんな中で頑張って根を張り、一生懸命育ったお野菜をご提供しております。
永続可能で環境負荷の低い自然栽培で育った、自然の深い味わいと、変化をお楽しみ頂ければ、幸いです。
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