農業レポート

多様性ある農業が安全保障の要

最近、安全保障の考え方について、多様性から議論を進める方が

多くなって来られたようです。

1.安全保障を、単に防衛の観点からのみではなく

  防災、食糧、医療、エネルギー、教育と幅広くとらえる方が出て来ました。

2.また、これらの各分野において検討するに際しても

  さらに多様性の視点で検討を進めて行かれる方が出て来たことです。

例えば、私の関心のある食糧では

①種の確保の重要性

 スーパーの食材を見れば、ひところに比べ

 かなり種類の幅が出てきました。

 トマトなどは顕著ですね。

 しかし、ここでは、永続性の観点から固定種という多様性が

 重要だと思っております。

②単一量産型生産からの離脱

 特に、自然栽培や自然農では、連作障害回避のためもあり

 複数の作物のローテーション栽培が普通です。

 ③と関連しますが、地方野菜の復権も大きいですね。

 最近の日経・地方紙を見ていると

 先進的な農家が、地方野菜を復興し販売され始めました。

 一般的に、おいしいのですが、品質にばらつきがあり

 市場流通に向いていないものも多く

 量産に向かず、経営的に難しいのです。

③販売方法の多様性

 宅急便だけでなく、マルシェや道の駅などでしょうか?

 加工品としての多様性もあります。

 これは、付加価値向上のほかに

 保存性向上とB級品対応のメリットが大きいですね。

④資金調達方法の多様性

 農協や政策資金のほかに、クラウドファウンディングなど

 多様化してきました。

総じて、「多様性の確保」は、効率性と相いれず

経営にゆとりが必要です。

今のデフレ下では難しいのですが、

災害大国ニッポンでは、非常時には大きな効果を発揮します。

それでも、平常時には、コストアップ要因となり

カットされることとなります。

多様性確保による永続の機能は

生産者のゆとりと消費者のゆとりの両方がそろわないと

成立が難しいのです。

本来は、国が、多様性のコストを安全保障の観点から

サポートするべきですが

今や政府は、企業と同じスタンスで、

生産性向上・コスト削減の一点張りなので

多様性を阻害する方向に動いているのが残念です。

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苗用の土作り

河野農園では、お野菜もお米も苗作りから始まります。

種を播く土も無農薬・無肥料のそれぞれの畑や田の土を使います。

粘土質の土塊をこぶし大まで崩して乾かし

何回も木槌で砕いてふるいながら「土」を取って行きます。

お野菜用の畑の土は5mm以下、お米用の田の土は3mm以下までふるいます。

土埃がひどいので防塵マスクを着用します。

こうして作った土に,培土やくん炭を混ぜた土に種を播くのです。


 

足かけ3年の基盤整備工事

 

2017年から新規に農地を借り入れしましたが、

 

残念ながら湿田で排水性も湛水性も乏しい状態のモノでした。

 

大型機械を入れても緩くて収穫を放棄するような田んぼで、私どもの持つ小さいトラクターを入れますと、泥にはまって出られなくなってしまう様な地盤の緩い土地でした。

 

給排水の配管位置がわからない。

 

あるいは機能していない。

 

法面が崩落している、漏水が著しい。

 

地面の傾斜が偏っているなど等の問題から、すぐに作付けできるような土地ではありませんでした。

 

そのため、夏場の晴れ間などを使い、こつこつと排水管の再敷設、

 

外溝の掘削、崩落法面の補修などをして、ようやく湿田を畑の圃場として利用できる形に整えました。

 

 

 

はじめはバックホーを入れるのもお腹をすってアームで移動しなければ動けないような場所でしたが、

 

少しずつ排水性を良くしながら、

 

時間と労力をかけて利用できるように改善しました。

 

 

 

中山間部の農地は大体みな同じような状態ではないでしょうか。

 

大規模な圃場整備をしてから当地では40年が経過し、

 

大規模化、機械化などの取り組みなどがあったそうですが、

 

大きい田んぼでもせいぜい23反で、のり面が高く、平野部で見られる畔を乗り越えての

 

圃場の移動などが無理な場所が多いため、農機の移動も、畦畔の草刈りの労力も平地とは全く違います。

 

そんな山間部ですが、

 

地道にコツコツと取り組んでおります。

BEFORE

工事前

 AFTER

工事後

種取り用ハウスの完成

 

18年末から新規圃場の基盤工事と並行して進めていたのが種採りハウスの建設です。

 

山が近く、周辺からの受粉の可能性も少ない場所ではあるものの、水はけの悪い死地を改良しての建設です。

 

もともと地下水位が高い場所でしたが、畝を高く盛ることで野菜が問題なく育つことは確認できていましたので、土台を作りその上に土を盛り、畝を立ててからの、建設基準の作成。

 建設開始

基盤工事に注力していたため、19年から骨格の建設をはじめました。アーチパイプを配置し、背骨となる直管を5本固定しましたが、やはり地盤が緩いため、場所により水引線より5cm沈むという状態に。

 骨格

アーチの穴に小石など詰め込んで固定してはいましたが、建設を進めて鉄管の骨がそれぞれ組み合わさると重さもそれなりになります。勝手に沈みます。

 

ということで丸太を切って下鉄管と地面の間にかませてジャッキアップ。これで下がりすぎることはなくなりました。一通りの骨組みを組むのは終えて、19年の秋に聖護院蕪の種を撒き、骨組みだけのハウス内で栽培開始です。

 聖護院蕪

20年の1月に入り妻面の建設も終えて、本格的にビニールや防虫ネットの展張となるのですが、綾部では3月に岸焼という川岸や農道・畔などの冬の枯れ草を焼き払う行事があります。

 

山が近いので結構な法面があり、毎年焼くのですが、ビニールハウスにとっては火の粉が飛んで触れると穴の原因になります。今年は雨のため中止になりましたが、当日の天気によるので、中止か岸焼が終わるまでビニールは張れませんでした。そうこうしているうちに無事に育った聖護院蕪は花芽を伸ばし始めます。あまり大きいとは言えませんが霜にも虫にも負けなかった、形の良いものを残して間引き、選抜をします。

 

1月には防虫ネットを張り、岸焼中止後に天井ビニールを張り、急ピッチでハウス外観を建設。無事開花までには扉もついて建設が終わりました。今は開花してくる菜花にひたすら受粉作業をしています。

完成 

今年から夏野菜の一部も植え付けをし、交雑の心配が低いものを種採りしていく予定です。

 

  



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店長ご挨拶

綾部市に移り住んではや6年、木村秋則式自然栽培に学び、無肥料・無農薬での栽培を行っております。
4年間土作りに取組み、まだまだ田んぼの土ですが、そんな中で頑張って根を張り、一生懸命育ったお野菜をご提供しております。
永続可能で環境負荷の低い自然栽培で育った、自然の深い味わいと、変化をお楽しみ頂ければ、幸いです。
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